偉大なる孤食

孤独を味わうことで、人は自分に厳しく、他人に優しくなれる。

旭郎山(きょくろうざん) 千葉県千葉市緑区

二郎系

郎麺 ヤサイ アブラ

ラーメン二郎と言えば、ラーメンが好きな人の間では知らないものはいないであろう、というほどに著名で数多くの信者を生み出しているラーメンである。

ラーメン二郎は東京都港区三田にある三田本店が唯一の直営店であり、その他は暖簾分けした店舗(フランチャイズ)である。そしてそれ以外にもインスパイア系と呼ばれるラーメン二郎に影響を受けたラーメンを独自に提供する店も数多に存在する。

今回紹介する旭郎山(きょくろうざん)もラーメン二郎に影響を受けたインスパイア麺を提供する店である。

インスパイアは総じて二郎系と呼ばれるが、その二郎系の掟とも言える特徴が、極太の平打ち麵、大量のもやしとキャベツ、濃い味の醤油スープ、コクの引き立つ脂、そしてなんと言ってもニンニクを入れるか入れないか、というモノである。

ラーメン二郎の名を冠する店舗では、ラーメンの出来上がり直前に店員から直々に「ニンニク入れますか?」と聞かれ、その際にニンニクの有無と、野菜、アブラ、カラサ(醤油ダレの量)の増量の意思を伝えるのだが、ここ旭郎山では、それらトッピング増量をあらかじめ券売機で発券するのである。もちろんラーメン二郎と同じくトッピング増量は無料であるため、お金を入れずとも券売機の「野菜」「アブラ「ニンニク」は常に点灯しており、発券が可能である。

一見大したことないように見えて、いちいちトッピングの意思を言葉で伝えることもなく、食券で明確に意思を伝えられるのは非常にラクちん。

スープはラーメン二郎とは異なり、完全に乳化した豚骨系。所謂二郎系があっさりしていると勘違いしてしまうほどに濃厚な味わいである。スープ単体でも博多豚骨なんかにも負けないくらいの味わいがあるのは実に素晴らしい。

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麺は二郎系の普遍的とも言っていい、平打ちの極太麺。固めに茹でられたゴワゴワの麺は。すするというよりはワシワシ嚙み砕くと言った方が正しい。並盛で300gもあるので、私は麺を大盛りにしたことはただの一度もないほどに食べ応え抜群である。

野菜はキャベツともやし。シャキシャキ感が残るように絶妙に茹でられた野菜は実に美味なアクセントとなっており。これは絶対に野菜マシにしたほうがいい。しかも、この素晴らしいお店には卓上にラーメンダレが備えられており、大量の野菜で水分が出てしまったとしても、味の調整が自分で可能なので、野菜マシの懸念もゼロである。

なんとなく入店しづらい雰囲気を醸し出すラーメン二郎。であれば、このようなインスパイア系を入門とするのも一興なのではないであろうか。