偉大なる孤食

孤独を味わうことで、人は自分に厳しく、他人に優しくなれる。

蒙古タンメン中本 樺太ラーメン

樺太ラーメン

樺太ラーメン 720円 ・ネギ 70円

蒙古タンメン中本の先代である「中国料理 中本」。先代時代には人気メニューの一角としてファンに愛されていたのだが、現在では上板橋本店でのみひっそりと提供されている悲哀なる憂き目に遭っているラーメンがある。

それがこの「樺太ラーメン」。

蒙古、北極、中国と寒冷な地方の名が付けられたラーメンが多く存在する中で、この「樺太」ラーメンもそのひとつであることから、当時から店の看板メニューに近い位置に属していたという事実を匂わせる。

現在の中本の定番メニューはほとんどが味噌味であるなかで、この樺太ラーメンは醤油スープである。定番から外れていった経緯は味噌か醤油かの違いだけなのであろうか。

醤油スープに蒙古麻婆と少量のネギが乗るだけの超シンプルなラーメン。写真はネギを追加でトッピングしているが、デフォで提供されるのは本当にささやかな量である。

あまりにも単純な一品のため、物足りなく感じてしまうのも無理はないが、一度食せばその考えは遠のいていく。

まず第一として、醤油スープがとても旨い。味噌がメインの店であるため醤油スープがフィーチャーされることはほぼないが、醤油タンメン、冷し醤油タンメン、インドラーメンなどは滅茶苦茶にスープが旨いのである。

醤油とはいいながらも、醤油特有のカドの立った塩辛さは皆無であり、どちらかという塩スープに香りづけとして醤油が使われているような感じである。多分。なので甘味も感じられるほどに優しくまろやかなスープなのだ。

そしてシンプルすぎる故の意外なメリットがあるのだ。それは蒙古麻婆と物凄く合うということ。私は蒙古タンメンにのる麻婆ってそこまで好きではない。味噌味に味噌味の麻婆が加わると若干くどいように感じるからだ。

しかしあっさりの醤油スープであれば、純粋に濃厚なコクが加わるため、双方がブレンドされたときの絶妙な味は絶品である。

先代から続く旨さ…。時代は変わっても味は不変である。是非とも本店だけではなく、他の店でも食べれるようになってほしいものである。

(千葉店さん…樺太ラーメン定番にしてくれませんかね?ダメ?)