偉大なる孤食

孤独を味わうことで、人は自分に厳しく、他人に優しくなれる。

家系ラーメン王道いしい 千葉県千葉市中央区

王道いしい 醤油豚骨

・醤油豚骨ラーメン 730円 ・青菜 100円

家系ラーメンとは、家系総本山を称する神奈川県横浜市の「吉村家」と、同店からの暖簾分けにより独立した店舗で提供する醤油豚骨ラーメン、さらにそれらにインスパイアされたラーメンのことを指す。

この「王道いしい」は、吉村家からの暖簾分け店であった「王道家」からさらに暖簾分けされた店舗なので、ルーツは家系総本山の吉村家であると言える。

ただ、この独立元の「王道家」は既に吉村家から破門されているため、この「王道家」も「王道いしい」も、括りとしてはインスパイアにあたる。このあたりが実にややこしいのであるが、前述のとおりラーメンのルーツは総本山の吉村家であるので、正真正銘の家系醤油豚骨ラーメンを食せる貴重な店と言えるであろう。

家系ラーメン店の様式美とも言える、味・脂・麺の調整はもちろん可能。初訪問のため全て普通で注文。

やはりかつての直系店からの独立店舗なだけあって、他のインスパイア系と違いビジュアルは完璧に「家系ラーメン」である。直系店とインスパイア系の最大の違いは、この醤油が全面に出た濃い茶色のスープだと個人的に感じる。

そして見た目に違わず、スープはかなり濃い味と言える。本家吉村家や千葉県が誇る直系杉田家に比べてもかなり醤油が立った攻撃的なスープである。私にとっては家系を食べるときの背徳感としてはこれくらい濃い方が様になると感じるが、人によっては味薄めにして丁度いいかもしれない。

さらに脂。脂普通のオーダーでもたっぷりの鶏油が浮かぶ。ただ、このたっぷりの鶏油が旨さの一角を担っていると言っても過言ではなく、塩辛さのなかにコクとまろやかな旨味を引き出す重要な役割を担っているのである。個人的には脂の量と味の濃さは一対であると感じる(味薄目なら脂少な目、味濃い目なら脂多め)。

麺は普通オーダーでも十分すぎるほどに硬めでコシのある自家製中太麺。スープをしっかり堪能したいときは柔らかめ、ラーメンをトータルとして最高の状態で味わいたいときは普通、血迷ったときは硬めになるのかな。

巷に溢れる家系ラーメン。その中でもより直系に属する本格家系ラーメンを味わえるこの「王道いしい」。真の家系ラーメンとはなにか、それを味わいたいのであれば是非。